西村先生のご冥福を

昨日は、京都で。【CONNECT⇄_(コネクト)】
「共生・多様性・アクセシビリティについて考える連続トーク」で、
「舞台手話通訳のいま」というシンポジウムに参加して。
帰りはすっかり暗くなって、京都はやっぱり寒くて。
 
大阪まで帰ってきたころに、ののさんから西村先生の訃報を聞いた。

大阪もやっぱり寒くて。

わたしはなぜか西村先生と呼んでいて。
どうして先生と呼んでいたのか、
覚えていないけれど。
ずっとそう呼んでいた。
 
2003年、劇団Ugly ducklingの東京公演『アドウェントゥーラ』
はじめての新宿、タイニイアリスだった。
2006年に『スパイクレコード』だった。 

タイニイアリス近くの喫茶店で西村先生とお茶をしたとき、
細いタバコを吸っている先生を見て、
わたしはなんてかっこいいんだろうと思ったんだ。
お話すると超キュートなのに、
黙ってタバコを吸っている姿は、超クールだった。
 
「あなたたちはね、今までの(演劇してた人たちの)屍をね、踏んで(進んで)いるのよ」
 
という言葉を覚えている。
ニコニコしながら先生は言った。
二十代のわたしには先生の言葉はとても難しかった。
ニコニコして話してくれるから、なんだかわかったような気持ちになったけれど、
その頃のわたしは、ほんとの本当は、なにもわかっていなかったから。
いまなにかがわかっているかと思うと、そういうわけではないけれど。
 
いつだったかそれからずいぶんあとに、またお茶をした。
その時、わたしは先生を元気づけられる言葉がなにも見つからなくて。 
本当に見つからなくて。 

昨日も今日も寒かった。
当たり前すぎる。
人はいつかこの世を去る。
当たり前なのにわたしは悲しい。
 
わたしもいずれしっかり踏んでもらえる屍になろうと思う。 

西村先生のご冥福を祈ります。
 

コメント