10年振り返ってひとだんらくス

『Aftershock2022』が無事に終わりまして、そして5日から映像がstoresにて販売はじまりました。どうぞよろしく❤️観に来てくださった皆様、本当にありがとうございます。そしてたくさんたくさん、いろんな皆さんにお世話になりました。いつもこうやって公演が出来ております。本当にありがとうございます。
 
10年前に書いた作品でした。
そうして、演出を始めた作品でもありました。
高円寺のアカデミーで、信さんの言葉を聞いては、
ハテ、ドウイウコッチャ……と目をぱちくりして過ごした1年間のあとの作品でした。 
 
この、ハテ、ドウイウコッチャ……という内容を、
わたしは大阪の俳優たちに身体を使って再現をしてもらった作品でもありました。
もうなんのこっちゃな文章でごめんなさい。。。
 
信さんの言葉は謎かけの謎かけのようで、だけどわたしは確信があったのでした。
これを理解するためには俳優の身体がいる。
わたしが脳内で理解することじゃないんだ。
というか、まだ理解ができないことばかりだったので、
とりあえず、俳優に「こんなふうにやってみてほしい」と、伝えてみました。
 
その時の俳優たちは、わけが分からないまま、だけどチャレンジしてくれました。
 
そしてわたしはPlant Mの方法論を得ることになったのです。
だから『Aftershock』初演に出演してくれていた俳優たちが、
Plant Mの土台、基礎を作ってくれたのです。
わたしも分からないまま、俳優にとりあえずやってもらって、
その俳優の身体や状態を見ることで、
 
ああ、そういうことか、と理解するという。
 
理解といっても、これは信さんの言ったことを理解する、ではなく、
結局、信さんの言葉によって、私が感じ考えたことを理解することになりました。
いろんな人の考えを因数分解して、新たに自分の方程式を作る、というと伝わるでしょうか。
 
なんていうのでしょうか、こういうの。
逆輸入……?
ちょっと違うかしら。

わたしが言語化するために、ある意味『Aftershock』という作品がありました。
そして言葉にしたものがこれ。
ひぐのへなちょこ書き文字で恐縮です。
Plant  Mではお稽古を始めるまえに、このPDFが送られてきます。
というのも、つい最近のことです。
稽古でいつも言っていることを、
とりあえず文字にしてみるという作業にようやっと乗り出したのです。
というか、いつも、これしか言っていない。
作品の演出プランとは別の、Plant Mの言葉を体現するための方法論。

そうして10年たって、また『Aftershock2022』を上演した時に、
またまた新しいことに出会ったのでした。
出会ったというか、気づいたというか、納得した、というか。
 
この方法論は確かにわたしの戯曲には必須で、
これが大きく崩れることはないだろうと思うのですが、
10年前はひたすらにこれを徹底していたなと。
ミリ単位で。 
もちろん今も変わらずなので、異様に細かく言われて俳優は辟易します。
 
どうすれば、目の前で、今、生きて考えている人間になるのか。 

それを俳優の身体とともに考えた10年でした。 

けれど。

ウォーフで、俳優たちが3人でいろいろ話し合っている姿を見た時に、
わたしはとてつもなく感動したのです。
感動?
この言葉も少し違う。
ああ、この風景を見たいと思っていたのだと思った。
わたしは、可能性を見たのだと思う。
きっと今まで関わってくれた俳優たちもみんな同じように議論して、
あるいは個人それぞれで深く潜って考えて、
そうしないと手強い戯曲ばかりなので、
同じようにやっていたはずなのに、
 
わたしが変化したのだと思う。 

いつだって、アクションが変化するんじゃないのだ。
受け取る側の自分の変化でしかない。
 
自分の作品は、徹底して創れるのだとわたしはもう知っている。 
 
それよりも、わたしの戯曲や、言葉を、俳優たちが自分がそこで生きるためにどう使うのか、それがわたしには、とてつもない可能性として今、見えているのだと思う。
 
誤解をおそれずに言うのなら、
 
わたしの言葉を表現するのではなくて、
わたしの言葉を俳優が自分のためにどう発展させていくのか、
発展させていくには、ではあなたはどう考える?
 
それを見たいと思った。

そもそも、そうやって考えていたはずだし、
それが当たり前だと思うけれど、

心の奥底から、ああ、そうだと思えることが、わたしにはうれしい。
 
それはひぐさん、年をとったんだよ、と言われたとしたら。
わたしは年を取ることがとても面白く、とても、幸福だと思う。
 
そんできっとまたこれからわたしもたくさん考えて、
たくさん悩むのだろうと思う。  
 
人間は面白くて恐ろしい。
わたしは樋口ミユという人間をやっている。

と、ここまで書いて今日はもう早めに眠るのだ。
加齢と疲労は重要な関係性だから!!

コメント