振り返って雲南公演の役者紹介でございます。
『あらわれるげきじょう』の「わたし」
大原さん。
雲南の小さな巨人というキャッチコピーでおなじみです。
勝手にひぐが言うているだけですが。
大原さんは、ぱっと見た感じ、とても普通の人に見えます。
と、書いてみて、普通ってなに? と、突っ込みたくなります。
常識的で、年相応の精神で、社会人で、母親で、
つまり大人で、
ざっくりとした30代後半女性のざっくりとした情報、
それを大きくは偏見というのかもしれないなと思う。
大原さんは、お芝居があるから生きていける人なんだなぁとつくづく思う。
振り切ってる。
お芝居をやるのなら、例えば山積みの問題が大きく立ちはだかっても、
「うん、じゃあ乗り越えるか」
と、普通の顔してやってのける。
たまに、いや、大原さん、それはちょっと無理くりだからやめない?
と思うことさえも、普通の顔してやってしまう。
あれだ……「ぼのぼの」に登場するスナドリネコさんを思い起こさせるのです。
平気な顔。
全然平気じゃなくても、なんか平気な顔。
ギリギリまで平気な顔。
今回は『あらわれるげきじょう』で「わたし」という役でした。
大原さんはなんともいろんなことができて、なんだかやっちゃえるからこそ、
「うまくやっちゃわない」が今回の課題になりました。
というか、『あらわれるげきじょう』はレパートリーなので、
きっとこれからの大原さんの課題なんだろうなと思うのであります。
なんとも贅沢な課題であります。
微細な振動、心が震えるかすかな瞬間、極限にそれを見つける臨戦態勢になったら、
上手いもなにもなくなって、その人そのものになる瞬間が、
大原さんにはたくさんあるのです。
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