役者紹介『君ヲ泣ク』三女 大鶴美仁音(劇団唐組)

 2017年の秋の唐組公演『動物園が消える日』に、なんとワタクシ客演で参加しておりましてね。とてもとても貴重な体験でございました。演出助手をさせてもろて、テントを建てるのも経験させてもろて、旅公演も、なにもかもが唐組スペシャル2017でございました。

その時が、ミニさんとはじめましてでございました。

去年、写真家の伊藤華織さんの企画に参加したときにミニさんに出演してもらい(この企画はまたあらためてブログにアップしますね。とっても素晴らしい企画でした)

そして今年の2月、PLATの舞台手話通訳公演に出演してもらいまして、

今回の『君ヲ泣ク』となります。 

ミニさんは、黙々と、食べる。

食べ物の話じゃありません。

稽古というものを黙々と食べる。 

演劇というものを黙々と食べる。

共演する俳優たちのことをじっと見て、俳優たちが発するものを黙々と食べる。

わたしの言葉をじっと聞いて、黙々と食べる。

そして考えて消化して、吸収する。

この、消化が、すごい。

2月の舞台(これは1週間集中稽古でしたね・・・)から、

今回の稽古の間に、

もしかして神様からものすごい腸の善玉菌を増やしてもらったんじゃないか、

と思うくらいに消化吸収する。

あくまで例え話です。本当の善玉菌のハナシじゃありません。。。

今回の稽古の途中で、あ、っと気づく。

2月のPLATのときのわたしの振り返りを、

この現場ではもうすでにミニさんはクリアにしてる・・・・・・!?

食べ残しなしで、きれいに平らげる。

食べたものは全部自分の糧にする。

自分の表現の境界線を、どんどん広げていく。

「どうするのか(わたしには)その方法は分からないけれど、ちょっと考えてみて」

と、無理難題を毎回俳優に丸投げをするわたしであります。自分で言いながら、え、どうするんだろう、そんなことできるってかなりすごくない・・・・・・とか思います。

投げかけたものを、ひたすら黙って食べて、考え、消化して、吸収して、

それを次の稽古場で表に現す。

表現をする。

黙々と、というのは、ミニさんが絵描きでもあることとなにか関係しているんだろうか、

なんてことも考えたりしました。

脳内イメージが明確、鮮明。

だから脳内イメージと実際の生身である自分のズレがはっきり認識できる。

それってきっと、密かに悔しいことでもあるんだろうなと思う。

だからいつでも次の稽古までにはクリアにしてくるんじゃないか、

なんて思っている。 

演劇に対して、ひたすら真摯なのだ。

そして言葉に対して、とても敏感。

唐組の俳優たちの、これは共通語なんだと思う。

今週末に予定していた『君ヲ泣ク』横浜verは中止となりましたが、Plant Mのホームページで『君ヲ泣ク』のテキストが閲覧できます。

https://plant-m.jimdo.com/

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