石畑くんのひとり芝居のお稽古は、ひたすら通しでございます。
石畑くんの準備ができるまで待つ。18時に稽古場にやってきて、通しを始めるのは20時、なんてもこともある。その間、わたしは4階の稽古場を離れて別の部屋で仕事をしたり、ご飯を食べたりして待っている。LINEで「お願いします」と石畑くんから連絡が入ると、インスタントの焼きそばを作って4階の稽古場に上がって通しをするのであります。
1回通しをして、振り返って、稽古は終わる。
きっと家に帰って明日の稽古までに考えて、また次の日に準備をして通して振り返る。 2回、通したりはしない。1日の稽古で、1回の通しと振り返り。通しができるまで、じっと待つ。ひとりだから。いろんなタイミングを自分の中で決めていくしかないなと、思うのであります。だからじっと待ってみる。やるよ、とこちからは声をかけない。今回のお稽古はそんな感じでございます。
今年4月に書いた新作。
緊急事態宣言が出る前だったか、出た直後だったか。
最中だったか。
テキストの情報をみたら4月18日だった。
書いて石畑くんに送ったけれどその時は上演をするかしないかまでは、考えていなかった。そもそも、これって上演できるのかしらと思っていて。できないだろうなと思っていて。
それから半年以上が過ぎて。
やってみようとなりました。
言葉は刃だと思う。自分はいつも刃を持っている、と言い続ける。
その切っ先は常に内側に向ける。
自分に向ける。
その言葉を発する俳優は、1日1回通すのがきっと限界だと思う。
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