『アイデアル』振り返って親と子と、人と、

『アイデアル』が終わりまして、所用諸々ありまして大阪に戻りました。
なんて暑いんでしょうか。。。。
島根はなんて涼しかったのでしょうか。。。
来週末には東京で稽古が始まるのですが、
東京の熱気事情はどんなものなのでしょうか。。。
40度を超えるのがデフォルトになったら、
一体どうやって夏を乗り切ればいいのでしょうか。。。

島根に行くと気がつくのです。
日差しを逃れてテントに入るよりも、
木の陰にいたほうが、何倍も涼しいと……

みなさま、熱中症にはじゅうぶんお気をつけくださいませ。
ワタクシも気をつけます……

さてさて『アイデアル』は無事に終わりまして、みなさまありがとうございました。
雲南バージョンでは、

三人芝居だれけれど二人で上演ができないか?

という、始まりは物理的なコトでした。

できるのかしらねぇ……
どうかしらねぇ……
でも考えてみるわ……

と。

稽古が進んでいくにつれ、
二人バージョンも、アリなんだ!
と思ったのであります。
三人芝居の、三人目の登場人物は窓から覗く「母親」 でした。
もう今はいるはずのない「母親」
見えないはずの「母親」
存在しないはずの「母親」
しかし居座り続ける「母親」

今までの上演を観ることが出来なかったので 、
この「母親」をさてどんなふうに登場させていたのかは、
ひぐちは全貌をあまり知らないのです。
初演『アイデアル』に出演した大木実奈ちゃんによりますと、
「お母さん、それぞれ指にちくわを5本ぶっさして、ハサミでちくわを切っていました」
という情報をもらう。おお、観てみたかった……!
dracomの筒井くんの演出はお稽古にちょこっとお邪魔させてもらって、
だけど本番は惜しくも観れませんでした…… !

では、二人芝居であれば「母親」をどう考えられるかしら?
ふうむ。

どんどん考えてたどり着いたのが、

男の体の血の中にのみいる「母親」

という登場でした。

血の中、というのはあまり正確でないのかもしれない。
思考の中、と言い換えるほうがいいのかしら。

親と子どもというのは、なんとも不思議な関係だと自分の親子関係も含めて思う。
生まれてはじめて一番初めに接する「世界」が、親を含む家族。

親子なんだから遺伝子によって似てくるのが当たり前だと思うけれど……

他の「世界」を知らないから、
他のどこの家庭も、自分の家庭と同じなのだと捉える。
この「世界」の決まりごと、考え方、行動、
つまり親の決まりごと考え方行動が、世界のすべてだと受けとる。

生活の積み重ねが、似させていくのではないかしら。

親と子について考える時、
年々、考え方が更新されていく面白さを発見する。

似ている、というのは遺伝からだろうか。
果たしてそうだろうか。
子どもは自分ときっと同じだろうと想定したうえで、
自分の思考、思想、理想を、
生活の中で意識せず意図せずなにげなく、
無意識に刷り込んで「似ているもうひとりの自分」を創るんじゃないだろうか。

もし、

子どもを、自分とは全くの別の人間だとはっきりとお互いに認識した上でなら、
どんなふうに子どもと接するのだろうか。

と、ここまで考えると。

肉体は遺伝子を運ぶ乗り物という「利己的な遺伝子」 のことを思い出したり、
人間の細胞と細菌のことを思い出したりして、

ん?
これは今、誰が考えていることかと自分を疑い始める。

「わたしをわたしとおもっているわたしはなんだろうか」
「あなたはなぜわたしではないんだろうか」
「わたしはなぜあなたではないんだろうか」

と、やっぱりまたいつもの始まりに立つ。

ああ、また振り出しだ。
振り出し以前にまた戻ってゼロからだ。
考えることに終わりはないんだわな、と。積み上げて壊す。
人生という旅に演劇という道ずれを選んだワタクシは、
親のことや子どもことや、その関係性や、
そしてなによりも人間のことを、
ひたすら観察する。

そして次の旅はこちら。

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