『Aftershock』東京バージョンが終わって。

クリスマス・イブでございます。
ワタクシは本日も早稲田Liftへ出勤でございます。


と、いうのも。
こちらの自転車型自家発電機。
大阪のcan tutkuへと郵送する準備が残っていたのです。
段ボールで梱包でございます。
Liftのオーナー八木さんが送ってくださいました。
ありがとうございます。
この八木さん、家具職人さんでございます。
ギャラリーを経営しながら家具を作っていらっしゃいます。
無口でぶっきらぼうに見えるけれど、とても親切にしてもらいました。
Liftだったから上演できたようなものでございます。

これで『Aftershock』東京バージョンが無事終了いたしました。
公演を終えて、何を思うか。
一か月稽古をして、2週間の公演。
とにかく楽しかったんでございます。
アカデミーでたった1年しか一緒に学ばなかったけれど、
その1年は濃密でした。
だけど、アカデミーの1年間よりも、もっともっと濃密な時間が過ごせました。
役者の竹ちゃんも宮尾さんもまふみさんも、スタッフのゆかりちゃんもニノも、
それからワタクシも、みーんな年齢はバラバラで演劇経験だって色々で、
だけど一緒に『Aftershock』を創っている。
それが何よりの収穫。
上演の初めのほうに観に来てくれたアカデミー一期生の小嶋くんが後半にも観に来てくれて、

「役者が自由になった」

と、感想を言ってくれました。
そうなのです。
ながーい公演は、役者をどんどん自由にする。
だから長い公演が大好きでございます。
先へ、もっともっと先へと進むことが出来ると思うから。
3回目の公演くらいから、労働者の宮尾さんの顔つきが変化した。
始まりの長いセリフの途中から、

あ、労働者になっていく。

と、分かるほどに、顔が変わっていく。
上品だったまふみさんが、専務の乱暴な口調に馴染んでいく。
集中力散漫だった竹ちゃんが、脅威の集中力を発揮させる。
役者という生き物は不思議だ。
作家の言葉をいつのまにか自分の言葉に変化させていく。
たった3人きりの役者。
それぞれが別の人間。
舞台の上で流れる空気をお互いに伝達しあって世界を創り上げていく。

空気が生まれるように。

とは、私が稽古の途中で言った言葉だ。
世界の空気を創ろうと思ったところで創れるものじゃない。
役者が言葉を発してぶつかって、ピンと張りつめた空気が生まれる瞬間がある。
それを目撃したいのだ。
この空気は重苦しい。
息が詰まるような舞台は、観客にとっては苦しいものだと思う。
その息苦しさまで共有したい。
サービス精神がないと言えばそれまでなのだろう。
だけどやっぱり目撃したい。
ほんの少しだけ、世界の見方を変えたいのだ。
おこがましくも。
そう思わなければ演劇などしない。

ある観客は、

「これはロスチャイルドの悪事を暴いているのね」

という感想を。
なるほど!
こりゃそういう話だったのだ!!
また別の観客は、

「早稲田の町の片隅でこんな恐ろしいものを観るとは思わなかった」

という感想を。
それ褒めてるの?けなしてるの?

びっくりなお客様は、大阪からのお客様。
楽日に観に来てくれたcan tutkuスタッフメンバーの大西くん。
彼は大阪の『Aftershock』で照明オペを担当してくれていました。

懐かしいお客様は、Uglyの時に知り合った松本くん。
Ugly東京支部長でした。
「ブログで観たから」
と観に来てくれました。
久しぶりに会えて、元気そうで本当にうれしかった。

さて、『Aftershock』は次回、島根で、島根の人たちと創ってみようと思います。
それからできれば、東京バージョンの3人と一緒に、
東京と横浜の、労働者の町でまた上演してみたい。
それとは別に、また新たな物語を3人と創ってみたいものです。
また一緒にお芝居を創りたい人々が増えていくことが、とても幸せ。

あ、これやろう。
とか、
こういうのをやってみよう。
とか、
自分勝手に乱暴に思いつくまま生きているワタクシは、
たくさんの人たちに支えてもらっている。
巻き込んじゃったなぁ、と落ち込んだりもしたけれど、
とりあえず、2013年師走のワタクシは元気です。


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