台本ノートその1



言葉を食べる人間がいる。
食べた言葉はその人間の腹に溜まる。
言葉を食べつくすと、無音の世界がやってくる。
一体のミイラがいる町。
はるか古代の人間のミイラ。
ミライの人間は古代のミイラの身体の発掘を始める。
ミライがミイラを探る。
ミイラがミライを探る。
発掘の目的は、言葉。
ミイラの体を解体すると、言葉がもう一度世界に戻ってくる。

と、ノートに書いてそのあとで、3月11日がやってきた。

震災前と、震災後のわたしたちは、確実に違う。

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