そして続きのミッション

「突然電話してすみません」

と、いきなりうっちゃんの彼氏に電話でございます。
確か足立くん。あだ名はチッチ。
今考えれば、知らない女がどうして電話番号知ってるんだよ?
ということでございますよね。
そこまでのディテールは考えつくはずもなく…

バスケの試合で一目惚れしたとか恥ずかしながらモニョモニョ
コッパズカシイ演技をする14才のワタクシの横で、
うっちゃんは祈りを捧げていたのでございます。

ええ、そしてワタクシたちも…
夢見がちな年頃ですから。
少女漫画読んでいる真っ最中ですから。
劇的な瞬間がやってくると思い込んでいたわけでございます。

その劇的瞬間を引っ張り出す言葉は、
「今、彼女っているんですか?」
そして切羽詰まった感じで続けざま、
「いてへんかったら、一回だけ会ってもらえませんか」
ワタクシたち、当然、チッチはこう答えると思っていました。

「いや、俺、彼女おるから」

そしてワタクシたちに感動の嵐が起こる、
と、思っておりました。

現実は思う様にはいかないものですねぇ。

チッチはあっさりと。

「いや、おらん」

もうワタクシはパニックでございます。
「え、あ、いてたら、無理にって、そうやなくて、
あ、いてはるんやったら、気にせんと言うてください、
あ、諦めますから、わたし…」
「いや、おらんから、合おうや」

そしてしどろもどろで待ち合わせの日取りを決め、
ミッションは終了いたしましたとさ…

気まずかった…

次の日、うっちゃんはチッチに別れを告げました。
教訓は、あれでございますよ。

人の恋愛は、ほっとけ。
で、ございます。

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