無事に終了しました✨“あきらめない、夏”2026 大阪女優の会 VOL.22 『はじまりであり、おわりである』

2026年8月15日
 
 “あきらめない、夏”2026 大阪女優の会 VOL.22 『はじまりであり、おわりである』
 
公演が無事に終了しましたとご連絡をいただきました。
観にきてくださったみなさま、
座組のみなさま、 
関わってくださったみなさま、
とてもとても本当にありがとうございました。  
 
そして女優の会のみなさま、本当にお疲れ様です。
 
 



(写真は女優の会さんのブログからお借りしました) 
 
蝉の声と熱と太陽と。
お盆はいろんな境目が曖昧になる季節だと思う。
私は本当に何も感じない鈍感な人間だけど、
そんな私でも、お盆の季節は生と死のはざまの時間だなと思う。
 
そして15日を過ぎると、なんだか現実が戻ってくるように思われるのだ。
 
うっかり日々のことに頭や体を持って行かれていると、
このお盆の時期をスルーしてしまう年も今までにたくさんあったような気がする。
 
今年は、女優の会があったから、ずっとはざまを意識していられた。
人間は目の前のことに囚われやすい。
そういう生き物なのだなと思う。
 
今年の女優の会さんは総勢30名。
ゲネの映像を送っていただいたので14日の夜中に見させてもらいました。
本番の映像は、島根の本番が終わって大阪に戻って落ち着いて観劇しようと思います!!
 
ゲネ映像を見ながら、
 
今回は13歳のここねさんと、14歳の音色さんが出演していることについて振り返っていた。
 
13年前、ここねさんが生まれた年、
今は石垣に住んでいる劇作家で演出家の棚瀬さんのお子さんも生まれた。 
急に私の世界に「赤子」が二人出現した。 
衝撃だった。
今までこの世にいなかった人間が二体もいる……!! 
 
最大の力を持っていながらにして、最弱の生き物。
 
「人間」と「戦争」と「演劇」というものについて、うんうん言いながらずっと考え続けていた私は、この頃「彼女たちが大きくなるまでに、戦争というものがなくなれば」と心の底から願った。
 
けれど、今は少し違う。
なくなればと願う心は決して変わりはしないが、
時間の捉え方が大きく変わった。
 
今自分のそばで生きている「彼女たちが大きくなるまでに、戦争というものがなくなれば」
 
から、
 
10万年後にいる「彼女たちが大きくなるまでに、戦争というものがなくなれば」 
 
に変わった。
 
誰もが当たり前にきっと思っていることを、私はようやっと感じただけだと思う。
簡単ではない、というシンプルなこと。
 
とてつもない時間がかかるのだと、何かを実感してしまったからだ。
 
だから10万年後のために、今「戦争」を選ばないことをしようと思った。
それは今現在の人間的感覚から見れば、
とてつもなく他愛のない、即効性のないように思えることだ。
夏にリーディング公演をしたことが、すぐに平和を引っ掴むことはない。
それでもやるのは、はるか未来のことに実は繋がっているからだと思っている。
 
人間は急速に変わることはない。
急速な変化は、大きな反動を生む。
進化は静かにひたひたと起る。
確実な人間の進化を私は信じる。 
 
今回彼女たちが出演してくれたことは、
「あなたもその一人である」ことを、私自身が受け入れたからだ。
子どもたちが何も担うことなく穏やかな世界にしたかったと大人は誰もが思う。
けれどその理想を、捨てた。 
 
あなたも10万年後を作るその一人である。 
彼女たちとともに、冷静に、歴史を見つめられればと「少女」たちを登場させた。 
 
今回、イスラエルという国家について調べていくうちに、私自身が「戦争反対」を主張する人々に対する違和感がなんであったかを明確に知ることができた。それを知れたことが私には光だった。
 
イスラエルでは近年、幼稚園からホロコーストを教えるようになりました。さらに高校3年生になると、毎年3万人、4万人もがポーランドに行き、イニシエーション(儀式)を受けます。彼らはこのトラウマに執着せざるをえなくなります。政府はあらゆるメカニズムを通じてこのトラウマを次世代に引き継ごうとしています。しかしこのような方法でトラウマを伝えることと、トラウマを癒し、乗り越えることとは別問題です。 
(ヘブライ大学社会心理学 エラン・ハルベリ教授 )
 
事実と、憎しみは分けなければならない。
それはとても難しいことだ。
私たちには感情があるから。
それでも。 
難しいことほどやらねばならないのだと思う。 
 
 ずっと書き続けようと思っている『げきじょうのひ』
#0で、プロダクトのツルコと人間シンが話すシーンがある。

記憶の仕方は人それぞれ様々だ。
けれど、憎しみを覚える方法ではないことを私は選びたいと思う。
あったことは事実。
知らねばならない、けれど憎しみを増強させながら記憶を定着させることは、
新たな憎しみを育てていくことになる。

あったことは無くしてはならない。
 
この難しい矛盾を人間が自分の中で消化できるまで、10万年。 
 
私は人間の理性を信じる。 
自分自身が理性的とは程遠いからこそ、信じるのだ。
そう在りたいと願うが、それが成就するかどうか、
だから人間は難しい。 
 

人間 いつか薄れ忘れる感じがするんです。だけど体が、細胞が覚えると深くなる……どこまで深く刻み込めるか、もし、魂ってやつにまで刻み込めたら……

ツルコ 何度も言うが記録データはいつでも閲覧できる。

人間 「もうあなたは知っています」と、刻み込む試みです。

ツルコ あなた。

人間 この痛みはもう知ってる。この傷はもう知ってる。赤と黒と灰色の世界はもう身に染みて。流れた血はあなたのものでした。焦げた肉はあなたでした。潰れ、弾けた体は、それも、あなたでした。

ツルコ 人間、お前の話には一貫性がない。

人間 ように思えて、これはある一つの可能性かもしれません……刻み込むのは、「もう嫌だ」じゃなくて……「もう知ってる」……46億年を十月十日でやるのが人間なわけですから……

ツルコ バイタルが不安定だ。

人間 アタシが記憶して刻み込んだものも、46億年の進化にちょいと入れてもらえないでしょうかねぇ……必要ないものがなくなっていくのが進化ってやつなわけで……それ知ってる、やった、でも、いらなかった……

ツルコ 大丈夫か?

人間 どのくらいかかるでしょうか……アタシ、気が長いんでね……待ちます……100年じゃ足りない……1000年……1万年か……10万年……

『げきじょうのひ #0 序と云い切れズ』 

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