劇団Ugly duckling コラージュまでの道のり

コラージュするために劇団の作品を全部読み返して、頭を抱えた。

な、な、なんちゅう……
むちゃくちゃでございます。。。
戯曲なんていえるわけもございません。。。
ひっちゃかめっちゃかの文字が並んだ紙の束。。。
言葉を選ばずに正直に言うと、
 
く……く……狂ってる……!!!
 
「おい、お前!(自分のこと)
 なんで革靴と肌着とオレンジを湯船に入れて味噌汁を作ろうなんて思った!?」
 
みたいな気持ちになりました。
 
気が狂っているのを自覚するために15年間かけて書いて浮き彫りにし、作品の中で縦横無尽に気が狂っていられたから現実にそうならずに済んだと、本気で思っている。
 
私の本が分かりにくいから迷惑をかけている、というのが劇団をやっている時の私の最大のコンプレックでした。みんな、ごめん……でもどうすりゃいいのかもわからない。ああ、ごめん……でも書いてしまう……またわかりにくくてごめん……と、うつむいてウジウジして自分の靴のつま先ばかり見てました。ああ、暗い。無自覚に暗い。確かに迷惑。
※今も十分暗いし、今も十分わかりにくいが、無自覚が自覚的になりました。
 
うん、わからんよ。
これは昨日見た悪夢だから。
人の夢の話ほどつかみどころのないことはない。
あのころの私がなぜこれらの悪夢を書いたのかは、今は言語化できる。
説明できることがいいことなのかどうかはわからない。
それは成長するってことだろうか。
成熟するってことだろうか。
つまんなくなるってことでもあるだろう。 
処女作がその作家の最高傑作だというのは、蓋し名言だと思う。

アイホールの終わりに、どうして今は存在しない劇団のコラージュなのか。

ないものを出現させることが出来るのが劇場だから。
 
過去のものを、今、現在に。
忘れないために。
覚えておくために。
未来に繋げるために。
それは芸術が得意とする抵抗であると思う。
社会に対する抵抗と、劇場に感謝を込める。

だから今もう存在しない劇団の作品を、今の人々であらわしてみようと思った。
過去と今と未来のコラージュだ。

ウジウジしてる私のよくワカラナイ本を、15年間一緒に創作してくれた劇団員と、客演さん、関わってくれはったスタッフさん、観に来てくれはったお客さんたち、それから上演することを許してくれたたくさんの劇場に、あらためて15年分の感謝です。
 
そして、またまたそんなよくワカラナイ本をひっつけはっつけした今回の作品、再演のようであって新作という妙なクリエイションに関わってくれはる俳優さんたち、スタッフさんたち、全ての皆さんに、アイホールに、これからいっぱい感謝して作っていこうと思うのです。 
ありがとうありがとうございます。

観に来てもらえたらとってもうれしいです。
あなたはどんな15年間を過ごしてきましたか?
あなたはどんな37年間を過ごしてきましたか?

collage初期の作品たち
『さポろぺ』1996年@スペースゼロ/1999年@一心寺part2/2003年@OMS
『黒子禁止』1997年@スペースゼロ
『こども魂』1997年@スペースゼロ/2000年@OMS
『深流波シンリュウ1999年@OMS
『つぶならべ』2000年@スペースゼロ
『ひとよ一夜に18片』2000年@芸術創造館
『アドウェントゥーラ〜これから起こるであろうところのもの〜
  2001年@スペースゼロ/2003年@ウイングフィールド@タイニイアリス(東京)
『獣のこのこ』 2001年@OMS
『眠りの切り札』1998年@森ノ宮プラネットホール/2002年@アイホール@東京芸術劇場小ホール1(東京)
『誰もが手にしたるもの』
  1995年@スペースゼロ/1998年@スペースゼロ/2004@芸術創造館
 

collage変革期の作品たち

『フルオーケストラ』2004年@HEPホール@東京芸術劇場小ホール2(東京)
『トキシラズ〜黎明2005年@ウルトラマーケット(大阪城ホール西倉庫)
『トキシラズ〜望郷篇〜2005年@精華小劇場
『改訂版さっちゃん』2005年@ウルトラマーケット(大阪城ホール西倉庫)@東京芸術劇場小ホール1(東京)
『スパイク・レコード』2006年@ウルトラマーケット(大阪城ホール西倉庫)@タイニイアリス(東京)
『三日月エレファント』2007年@精華小劇場
『箱師よ、その街の暁に釘を打て』2007年@ウルトラマーケット(大阪城ホール西倉庫)
100年トランク』2008年@ウルトラマーケット(大阪城ホール西倉庫)
『くちなしジョッキィ』2003年@HEPホール/2009年@ウイングフィールド
『照準ZERO IN2010年@アイホール@ザムザ阿佐ヶ谷(東京)@北九州芸術劇場小劇場(九州)

『凛然グッドバイ』2011年@アイホール@下北沢駅前劇場(東京)@ぽんプラザホール(九州)

 


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