『げきじょうのひ #0 序と云い切れズ』お稽古はじまりました✨公演の前のもろもろと備忘録

お稽古が始まりました✨『げきじょうのひ #0 序と云い切れズ』で、ございます。
 
土台の土台になるような種を心に持って、戯曲の土台の土台の土台みたいな文字を書いたのが、1年前くらいか、2年くらい前だったかしら。
 
日々は速くて、気を抜いてたらすぐに時間は過ぎていってしまうから、Plant Mのための公演時間をぐいっと確保する。今年のうちに0というスタートの手前に立っておこうと思ったリーディング公演でございます。
 
来年はコネコネして上演していくのでしょう。
 
ゆっくりじっくりしたいなと思うので、リーディングから始めます。
 
ゆっくり。
じっくり。
 
20代から始まった劇団の頃。
毎日毎日集まっては基礎練やら、なんやかんやとしておりました。あんなに集まっているのに、毎回毎回公演はなんだかギリギリチョップで、ヒーヒー言いながら乗り越えてた。
 
ある時、ふと思って。
 
どうしてこんなに毎回大変で、ヒーヒーして乗り超えているのに、なんで私はなんにも積み重なっていかないんだろう。どうして毎回リセットみたいになってしまうんだろう。落ち込んで地面に頭が減り込むみたいに突っ伏してた。
 
原因を探す。
公演の本番からさかのぼって、探す。そしたら、至極当たり前だけど、自分の台本が遅いからだなと本当に当たり前のことに行き着いた。それは今までも口でも言っていたし、頭でもわかってることだったけど、心ではわかってなかった。それが本当に腑に落ちた。私が遅くなるから、誰も何も十分に時間をかけられない。それぞれのセクションが、自分たちの表現をできない。それでも、劇団のみんな誰もが、「台本が遅いから」と一度も責めなかった。
 
全てのしわ寄せが役者に振りかぶるのに。
 
劇団だったから、みんな待っていてくれて、ヨシ今だっ! ってなったら、演出も役者も爆発的な力を発揮してくれる。劇団って、だからスゴい。
 
元凶、私やんか。 
絶望した。

できるかぎり。
稽古が始まる1ヶ月前には、俳優の手元に台本があることを理想とした。
できるかできないか、ではなくて、それがいいと思った。
そうしたいと思った。
俳優が俳優の仕事をできるように。
演出が演出の仕事をできるように。
 
1ヶ月あれば、セリフを身体に入れられる。
セリフが入った状態から稽古を始めたら、を理想とした。
これも、 できるかできないか、ではなくて、それがいいと思った。
そうしたいと思った。
それができた時に、稽古日数が少なくても、戯曲が立ち上がることを知った。 
もちろん上演時間にもよるけれど。
劇団の時の稽古期間は2ヶ月間だったから。

試行錯誤しながら、ずいぶんと長い寄り道と迷い道を歩きながら、ノロノロと、演劇のことや、稽古のことを考えて、お芝居をしております。
 
うん、いろいろ、おそいのね。。。。

若い人たちを見て、なんとすごいなと本当に感心する。私が劇団15年かけて経験した失敗なんかはもう飛び越えて、いろんなことがわかっていて、知っていて、やり方もちゃんとして、もうなんかスゴイしか言えないくらいスゴイ。
 
Plant Mになってから、劇団とおんなじくらいの時間が過ぎようとしております。
少しずつ、私にとっての「演劇」を言葉にできるようになってきたから。
エイヤという、アドレナリンで乗り越えるやり方ではない方法も構築した上で、できるだけたくさんの公演も打ってきたから。
 
だから、今。
 
じっくりゆっくり、創作ってものにあらためて時間をかけたいと思う。
劇団の頃は、元凶の私がたくさん時間を奪っていた。
今は、おんなじたくさんの時間を、豊かなものに繋げていければと思う。

今回のリーディング公演で、
急遽代役で出演することになった保さんからの要望が一つ、ありました。

「全ての役を読ませてください」
 
これは、出演してくださる俳優の皆さんにも、とても重要なことだと思いました。
稽古内容スケジュールを組みなおしました。

昨日のお稽古までに、3回読み合わせをしました。
それぞれ配役を替えて。
ああ、これ、演出プランを考える時に、自分一人でやっていることと似ているなと思った。
視点が増えていく。
 
リーディング公演でなくとも、いつもの公演の時の稽古初めにもこれをやりたいと思った。 
稽古初めの読み合わせになんとも言えない違和感を持っている私は、ああ、この読み合わせならやろうと思えた。限定していく読み合わせではなくて、広がっていく読み合わせに思えた。
 
あと5回の読み合わせ。
それを終えてから本役にもどったら、どんな感覚になるのだろう。
 
今回の公演はもちろん、始まり、土台、原型としての#0という公演なのだけれど、
実はもう一つ、大事なことがあるのです。
 
「Plant Mにとってのリーディング公演とはなんであるか」

という、問いを立てております。
この答えを探す公演でもあるのです。
今回の俳優の皆さんには、本当にお力をお借りしております。
ありがとう。
 
私の問いのための備忘録として記載。
 
問いといえば。
昨日のお稽古で、はぁっっっ✨という煌めき体験がございました。
私だけの煌めきだったのでお恥ずかしいのだけれど。
 
俳優さんに伝えるために話している時に。
 
自分で話しながら、ああっ、と気づいていくこと、ございませんか……? 
 
動いている口と、ああっ、と気づいていく意識。
二つの別の意識がある。
どっちも私で。
 
「戯曲は、問いである」と、この口が話した。
私は、ああ、そうなのかぁと思った。
 
「戯曲のその問いを見つけられるのは俳優(もちろん演出もだけど)」と、この口が話した。
私は、ああ、そうなのかぁと思った。
 
自分が話しているんだけれど、自分がそれに納得する。
 
稽古だからそんなことが起こる。
 
過程というものこそが面白い。


 

 
 
 
 






 
 
 


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