女の人の体は複雑だ。
体の中に、人間を育てる内臓機能があるのだから当たり前に複雑だ。
いつだったったか誰から聞いたのか記憶が曖昧だけれど、
卵子が放出される瞬間はビックバンと同じくらいのエネルギーだと聞いたことがある。
体の中で毎月ビックバンが起こる。
まじすげえ。
あは。
東洋医学でいうと、7の倍数で女子の体は変化する。
7×7=49歳、もしくは7×8=56歳
あたりで閉経。
この前後5年間が更年期というやつでございますわね。
人それぞれだけれどだいたいの目安として。
プレが始まっているわね、あたくし。
あれ、なんか体の調子が妙ダワ……と思うたびに、
母親がむかし言っていたことが頭をよぎります。
「首の後ろがジャワジャワして気が狂いそう」
ああ、これのことか。
「更年期で血圧が上がることはあっても、血圧が下がることなんて聞いたことない」
ああ、このことね。
「仰向けに寝転がると、ぐっと上から胸をおさえられているみたいで息ができん」
ああ、そうね。すごくわかるわ。
気分の問題ではなく、実際にエストロゲンが減少していくことで起こる身体の様々。
原因があるなら対処もできる。
今までは自分の体のことなんかよく考えもしなかった。
食べ物はお腹がいっぱいになれば毎食チキンラーメンだって良かった。
夜なんか眠らなくても平気だった。
休まずにワーカーホリックでノンストップで動き続けることができた。
年を重ねると、いや、ちょっと待ってと、自分の身体の状態をよく見るようになった。
もしかしたらこの体は悲鳴を上げる直前かもしれないと、耳を傾けるようになった。
今日、無理しなくても、これ明日でも全然間に合うじゃない?
と、自分に問えるようになった。
うん、休むわ、自分のために。
そして知る驚愕の事実は、休んだほうが断然仕事がはかどるということに。
自分のためはまわりまわって、自分以外のためにになると結構信じている。
そしてわたしは考えるのだ。
30年も前、更年期といえばホットフラッシュぐらいだろうと思われていた時代。
生理痛も「そんなもんや」で片付けられていたし、ましてや更年期なんて「なんやそら」くらいだったのかもしれない。
お母さんは、こんなふうに休めることなどなかっただろうと。
3人の子どもは大きくなったとはいえ、みんなまだ実家にいたから、
ご飯を作ったり、パートにいったり、自分の体のことを考えるよりも、子どもの心配だった。
十分な休息なんかとれるわけもなかったのだろう。
一番、休息しなければならないときに、だいたい人生は忙しくなる。
けれど身体は休まなければ悪化する。
更年期は本当に人それぞれさまざまで、自分の体の弱いところが浮き彫りになる。
今までの人生の疲れや疲労が、きっとここで吹き出す。
と、わたしは思う。
あの頃のわたしはお母さんを労わることが出来なかった。
今、自分を労わるように、お母さんを労われたなら、もしかしたら、
お母さんが感じていた苦しさを少しは解消できたのかもしれないと思う。
お母さんは更年期を乗り越え、
そして最強に面白いおかんへと生まれ変わった。
ぶっちぎりの面白さだ。
更年期がなければこんなにも面白くはならなかっただろうとさえ思う。
ちゃうでぇみぃさん、あれは更年期だけとちがうでぇ!!! と、抗議の電話がかかってきそうだが、まぁいい。
結婚していてもいなくても、
子どもを産んでいてもいなくても、
XXの身体を持っているのなら、
「でも今の状況じゃ休めない」と言わずに休息は義務であるし、
権利であると思って欲しい。
年齢的に婦人科に行くのもいいし、
その年齢じゃないなら健康診断でもいい。
ただひたすら眠るのもいい。
自分に合ったものを見るけるには、自分の身体を内から外から見なきゃいけない。
ぜひ見て、自分に一番合った休息を見つけて欲しいと思う。
わたしは自分がXXの身体を持ってそれを体験しているから女の体の様々を考えるけれど、
きっとXYの身体も同じなのだと思う。
40年を超えて、部品を取り替えなしに動く電化製品なんてない。
唯一、人間の肉体だけ。
自分の体であるけれど、自分のものではない。
自分でさえ乱暴に扱ってはならないのだ。
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