一瞬、諦めそうになった

去年。
 
沖縄歴史文化ツーリストの下地さんのツアーで、
一瞬、わたしはなにかを諦めかけた。
米軍基地のツアーで基地をぐるりと車で走る。
下地さんが運転して案内してくれる車の後部座席で、
延々と、
延々と続く、
基地のフェンスから目をそらし、
空を見た。
 
青い青い空。
 
思考停止した瞬間だった。
本当になんにも考えられなくなった。

下地さんのホームページに、こんなふうに紹介されている。

「沖縄の負担を見るツアー」
うんざりするほど米軍基地を見るツアーになりますが、
それが沖縄の負担を見ることにもなります。
 
なにをどうしたら。
方法を考え出すとどうしようもないことだけがやたらと浮き彫りになる。
考えて、
どうしようもなくて、
考えて、
考えて、
どんどん分からなくなる。
そのうち、目をそらした。
しばらく走る車の窓から空を見て。
あの時、わたしの意識はどこに行っていたんだろうかと思うほどに、
なにも考えられなくなった。 
どこにもいなかった。
誰でもないくらい、
時間が止まったみたいだった。
 
そしてはっと意識が戻る。
後部座席のシートにめり込むみたいに沈んだ上半身を、
重たい上半身を、
ぐっと持ち上げた。
前のめりになって、また延々と続くフェンスを再び見つめた。
 
見つめたからといって、なにかが変わるわけでもない。
すぐには。
ふと横の座席を見たら、
同じように重たい上半身を持ち上げて、
同じようにフェンスを見据えるともさんがいた。
一瞬、ああ、もういいやとなにかを諦めそうになって、
だけど重たい体をなんとかして動かして戻ってくる。
 
あの経験を、わたしは忘れないだろう。
 
わたしは具体的な対策はきっと考えられない。
効果的な方法も、きっと思いつけない。
それを考えられるひとは、考えてほしい。
わたしは思考が崩壊した。
それぞれにとっての最適がある。

わたしは演劇をする。
 
演劇は、人間の意識を進化させるものだと思う。
だから結果はなにもかも遅い。
だけどやっぱり、
これがなによりも近道だと思う。
 
だからわたしは演劇をする。

 
明日から大阪プレ公演です。
なんとアフター三線ライブがあるそうです!!
光広くんの三線は風の匂いがします。
音楽の音のこと、ひぐは詳しくないけれど、とても素敵です。 

【スケジュール】
■14日昼
13時30分 受付開始(3階カフェにて)
14時 開演 ひとり芝居「ゆんたくしましょうね」
15時15分 三線ライブ(福治光弘)
16時 終了
 
■14日夜 
19時 受付開始(3階カフェにて)
19時30分 開演 ひとり芝居「ゆんたくしましょうね」
20時45分 三線ライブ(福治光弘)
21時30分 終了
 
■15日夜 
17時30分 受付開始(3階カフェにて)
18時開演 ひとり芝居「ゆんたくしましょうね」
19時15分 三線ライブ(福治光弘)
20時 終了   
※開場は開演の30分前(3階のカフェで受付してください)
※日程・開演時刻等ご確認のうえ、お早めに会場にお越し下さい。
お手洗いが2つしかありません。お時間にゆとりをもってご参加ください。
※開演前に同ビル内で開催している1972年展をご覧いただけます。
 
1972年展は5月11日(水)から17日(火)まで開催。
 
【料金】 前売り券4000円 当日4500円 ※当日現金精算になります。
【会場】 イサオビルRegalo Gallery&Theater
大阪市西区新町1-12-23 
地下鉄四つ橋線・四ツ橋駅出口②より徒歩5分、
地下鉄四つ橋線・本町駅出口22、23より徒歩5分(オリックス劇場の東側)
TEL&FAX (06) 6538-3830

コメント