役者紹介、トリゴーリン、岸本昌也

大阪の高校演劇連盟主催の春の講習会とやらに行って参りましたの。
そのことはまたのちほどー。

さて、次の役者紹介はきしもん。
noyRでは、以前にトレープレフも演じました。
『ニーナ会議』ではトリゴーリンでございます。


毎回、毎回、きしもんはトリゴーリンについて考えておりました。
そして私は私で、俳優に伝える言葉について考えておりました。
ひとつの言葉が、俳優を自由にもするし、不自由にもするのだ。
とても当たり前のことなのだけれど、
実際に経験して、ハッとなる。
舞台上で自由になるように。
そう思っていたのに、逆に私がきしもんを不自由にさせていたのかもしれないと気づく。

「もしかして、きしもんはひたすら内側に向いたほうが背中から突き抜けるのかもしれない……!」

ここだけ聞くとなんのこっちゃなのですが、
全体の振り返りのあとにきしもんと話をしていてふと思った。
私は今まで逆のことを伝えていたんじゃないだろうかと。
そんな話をした次の公演。
楽日のトリゴーリンは、今そこに生きている紛れもないトリゴーリンだった。
不思議な出来事だけれど、それは確かに起こりうる出来事。
noyRで何度も一緒に創ってきたけれど、初めて観たきしもんだった。
そうすると、トリゴーリンと接触したニーナ’sたちがまた次の別次元のステージに上がる。

全ステージを終えて、打ち上げの時に、

「あ、きっと変わるなっていう感覚があって。それにこれは今までずっと稽古と本番を積み重ねてきたからなったことなんやと思うねん」

と、きしもんが言った。
初演からの積み重ねもきっとあるのだと思う。

俳優はひとりひとり違う。
そんなことはもちろん当然のことなんだけれど、
気を抜くと私の脳内は固まる。
通常のこととか、普通ならこうだろうと固まる。
ああ、もっと早くそのことに気づいていればなと、
また新たな課題を見つけたのでありました。
早くも次の「ニーナ会議」が待ち遠しくなるのであります。

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